テキスト1979
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古い話ばかりで今の若い方にはびんと来ないかも知れませんが、これも私の花に関係のある話ですから、お茶でもおのみになってのんびりとした気持できいて下さい。最近になって、私の服を銀座の壼番館でつくらせるものですから、その関係があって毎月「銀座百点」というきれいな。ハンフレットを送ってきます。10月号にという題で画家大橋月餃氏の思く作られた高廊下があったのだが、い出話をNHKの山川静夫氏が私は思わずそこまでたどりついたの書いていらっしゃるのをみましです。た。月蚊さんと私は特考えてみると実際は大建築の本堂に深い交際があったわけでもなの方が安全であったのかも知れませいのですが、昭和10年ごろを前ん。修養の足りないものは仕方のな後として、そのころ京都の南座かいものです。ただ、ただ感激したのら頼まれて約一_一年間ほど一階のはこの地震のゆれ動く中でも、たと休憩室で「いけばな展」をひら「酔いどれ月絞」ものでした。法要部の裏通りに新し専渓いていました。花数は五、六瓶程度のささやかな陳列でしたが、を通じていつでも桑原専慶流のいけばながある、というので評判をとったものですが、十二月の顔見世の期間になると一階の特等席の休憩所で大橋月絞さんが机をすえて歌舞伎俳優の似顔絵を色紙に書き、即席揮憂で、そのころ一枚三百円程度で売るという、弱落括淡とした脱俗の画家でした。花を活ける私と絵を描く月絞さんとはいつしか顔なじみになって`絵のこと花のことなど、話し合いながお花を挿しかえる日にあたります。がきのうのように考えられるのでら休憩時間には二階の食棠で酒を朝から本願寺の御影棠の立花を立て飲むような関係になっていました御内仏のお花や、黒書院の生花を挿。月餃さんは十年ほど以けて、裏堂の高廊下に面した御花場前に亡くなったそうですが、明治から、阿弥陀堂へ行くべく七間はばならば清方、大正なら深水か月の広い裏堂を歩いていたときでし咬かといわれる画家であっただた。午前11時58分、ぐらぐらっと来けに、その晩年が惜しまれてなりたのです。ません。私とちょうど正午の御法要が始まって月餃氏とのおつき合いの中で強いました。あの木造の大建築がめりい思い出に残っているのは、昭和「ニニ六事件」のその日、この南座の休憩室でこの重大事件をきいたことでした。午後8時ごろだったと思いますが、夕刻からほたん雪で加茂川から四条通まで10センチも積るという京都でも珍しい大雪の夜でした。開演中の時間で休憩室も普通なれば人陰もないのに、なんとなくただならぬ空気で頭を寄せ合ってひそひそと話こ。t 日支事変のまっ最中の、しかも「正のです。し合っ人達があり、時間がたつにつ一年中れてその状態が変わってゆくのでし規軍の反乱事件」ですから、そ生花の講習を兼ねての小旅行でしの夜はラジオから離れずどんなにたが、二日間の日程を終えてその帰成り行くものかと心配したもの途、東京へ寄り一泊して帰る予定ででした。あれから約四十年を上野の旅館へ入ったのです。これがすぎた今日、はるか過去の問題8月30日でした。になっているのだが、雪の降る京都へ帰ったのがその翌日、さら京都の二月を迎えるたびに、そにその翌日は9月1日、これが関東の夜のことを思い出します。月餃大震災の日でした。さんの風雅な面影と、一結にあ毎月1日は京都六条の西本願寺のの歴史的な夜を迎えた私は、それす。また山川静夫氏のエッセイを読んで、そのころの雁次郎や歌右衛門の似顔絵を書いていた月餃画伯を思い起こすのです。そのころの話をもう一っしましょう。大正12年というと私の二十六才の年でした。そのころ京都智積院の寺僧で仏教大学へ通っていた富田教隆という青年僧がありました。この流儀の生花を村井慶全という先生に習っていました。埼玉県上尾町(今日では上尾市)の出身でしたが、ちょうどその年、花道の方も師範の資えそれが短い瞬間にしても、本堂の読経はとまらなかった、そのことでした。ようやくにして法要を終えて裏堂へ退出した堂衆の皆さんの話しごえがきこえたのですが、私には深い感動をうけた体験といえます。このごろ私は、私の家の土蔵を書斎に使って書きものをしています。木造建築の古い土蔵です。鉄筋建築も地震には信用できぬこのごろですが、この土蔵の中でがん張っていればいかなることがあろうとも今後30年は健康を保てると思っています。お迎まや活たが年す健農あ7た9えおみけ今年り新らの思り年に―またなプ気じせいしいおまのりでんもこい出もまよすいよおう年一一ヽ二六の夜九、の昼てっめりっと揺れる大音響は実に要い10年の2月、塵びてし新年を申し皆さ迎上まえ井氏と私が埼玉まで応援に出かけたしいというので夏も八月のすえ、村格をとり、是非、自分の寺へ来て欲にを皆さし花をにとゆげのる1 あなくま御に9 のそ年とよのさ待期い始るおめこ12

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