テキスト1979
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ーー部屋のまん中のテーブルに飾る盛花である。周囲から見る花であり、大体、四方面に表のあるように活ける花形を作る。写真の作品はいちばん作りやすい平凡な形なのだが、基木的に最も解りやすく練習用に作るのも面白いだろう。材料は大輪の花を集めるのが作りやすく、菊、ダリア、バラ、洋蘭などがよく、観葉植物のモンステラ、ポスト、アンスリウムの葉、カラジューム、アス。ハラガスの類などが使いやすい。日本草木を材料として作るのもよく、椿、アジサイ、クチナシ、ササユリ、菊、雷柳なども適している。背を高く作らないこと、左右前後に低く花葉をさし出して、まるく平面的な形に作りあげる。まず、中心になる花を上方にまっすぐに三木ばかり立て、その下に次の花を前後左右の均斉をとりよく揃えて、花器をまわしつつ挿してゆく。次に三段目、四段目という様に花器をまわしながら、それぞれの面が整頓する様に挿し、最後に足もとを広く形作る。① ―→― 面4ページRと同じ取合せである。山ィバラ、スイセン、白椿を赤掲色の扁平な壷に合挿したが、これも調和のよい作品となっている。イバラを前へ傾けて左右に枝を張らせ、その後方に水仙、前方下部に椿を入れた。色の調和もよく、空間も適宜にすき、バランスのよい形となった。季節感のある瓶花である。11月に入るとボケの実も黄ばんで、返り花が咲き風雅な味わいがある。まばらな只虹の作品解説②裏面枝の線がひろがって、点々とつく白花と緑の葉にも風情がある。左右へひろがる形の中央に椿の枝を入れ、花の白、葉の濃緑がぐっと全体をひきしめる。椿の枝葉が上方へ、左方へまた下方にのびやかに出ているところ、これによって花形を挫かにひろやかに感じさせている。cなたまめ、濃紅の大輪菊二種の瓶花。花器は深赤色のシンシャの壷。枯竹にからんだツルの形も変っており、これによって花形が形作られている。下部の実は床についているのだが、重い実の材料であるだけに、こんな工夫にもまた雅趣が感じられる。③左側面,cl 写真① ② ③ ④ RR10 四方面の盛花

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