テキスト1979
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⑬赤色単弁小菊を生花に入れる。花器は竹器の二重切筒だが、形が少し変っていてこれは車僧(クルマソウ)という名がある。風雅な切り方で小形の生花にも調和よく、瓶花の花器としても使える。上にサンキラィと紅葉の山木、下に白椿又は白山菊など調和のよい瓶花が出来るだろう。小菊は十一月から十二月のはじめにかけてが形もよ<雅趣が感じられるのだが、この作品を活けた十月初旬では枝振りも堅く曲がない。上に右勝手の副流しの花形、真を低くして習短かく草(そう)の花形に入れたが少し花形に柔かみが欲しいと思っている。下には友禅菊を小撼入れた。' 鼻虜7c帯化柳(タイカヤナギ)白糸菊(イトギク)の二種を瓶花とする。赤褐色の腰高陶器の花瓶に活けて、この作品は左右には枝をさし出さず前後に深く入れて、ことに前方へは柳の茎を一本、美しい線をさし出して、菊の前方へ重ねている。変化のある帯化柳の形を効果的に三本入れてその枝の中間に菊を三本左右上下に配置しているのだが、柳の茎の空間と(前後の)その空間に配置した菊のおき方がよく、しっくりとおさまっていると思う。単純な瓶花だが品格のよい作品といえるだろう。赤単弁小菊友禅菊_i 9 ‘ ヽ‘ ⑪ 帯化柳たいかやなざ白菊

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