テキスト1979
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(力。ヘル橋)4 といわれるだけに実に美しい。雪のあるアル。フスも美しく壮大であり、水が美しく田園が美しい。アル。フスを背景とする湖の美しさは言葉にはつくせないが、とりわけその観光施設のゆきとどいていることは、私ども京都に住むものにとっては深々と頭の下がる思いがする。地帯もドイツに入ってからも、オランダ、ベルギーなどを廻っても、田園風景の美しさにはすっかり参ってしまう。スイスは別としてもヨーロッパは平野が多く、広茫はてしなく広がった平野にゆるい起伏のある丘と地平線までつづく小麦色の掲色、ぷどう畑の整然とした線条`その中にトウモロコシの淡い福色が広々とした区画をもってつづいている。機械農業だと思われるが、どこまで走ってもこの風景が続いて、そスイスヘ入るのは三度目である。世界の公園これはスイスに限らないが、フランスの田園の中央をわけへだてる様に国道が直線に、地平線の一点へ向ってのびて行く。小麦畑の褐色、ブドウ畑の緑、その間に黒々とした緑の森があり、点々と渋い朱色の三角屋根の農家やサイロの塔が見えて、本の農村や田畑を見て色彩的に美しいという感じは起こらないのに、ヨーロそれ自体が絵画であり音楽的な情緒が感じられる。30分程度の間隔で農村と思われる集落を通過するのだが、どの家の窓ぎわにも花を飾ってあり、庭には色彩の美しい花塩がある。花が好きな国民なのであろうか`それが習性になっているのであろうか。とにかく、どれほど走っても花のない町はなく、窓際に花のない家はない。まったくうらやましい限りである。どの村を通過しても、あまり人の姿の見えないのも特徴である。色彩的に美しい風景であるッパの田園地帯は5 Q日7 ゾンデンベルグのレストランにあった壁面の花。かけはなのゼラニューム。)レッツ工)レン

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