テキスト1978
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才‘‘、ナェシの生花は意外にむずかしい。単純な草花であって、瓶花や盛花にはすぐ調子のでる風情のある花なのだが、化花の花形に作るとなると、直線的な材料であるだけにことに「留」の部分が作りにくく、令体的に単晶平凡な形になってしまう。胴、密のような前方斜にさし出す花茎は花首のところがばらついてみえ、引きしまりがなくなって、湖やら胴やらわかりにくいような、とりとめのない花の集りになってしまう。そこで、これをどう活けるかということについて考え方があり、この写真の生花をみつつお話をしてみようと息う。茎をなるべく立てるようにして、前方へ傾ける花型を多く用いないことである。花の上部から見るように傾けると「引きしまり」がなくなってしまう。つまり茎の横を見るように考えて挿すとオミナェシのよい形が見られるし、真、真かこい、見越し、副の上部の茎の側面をみるとまず第一にオミナェシの生花には一本一本のR オ,ミナエ、ン一種いうこの考え方を頭において活けると花形全体がよくなる。真、副、真かこい、胴、留、控の各部の上方へ向く花の頭がはっきりわかるような並べ方をすることが大切であり、これが原則である。流儀によっては、オミナェシ、大輪菊、シモッケのように花首の頭部の揃っている材料を「段いけ」といって(段を作るという意味)花茎を側面より見ることを教えるのだが、桑原専腹でもこれと同じ考え方をもつ訳である(段いけとはいわない。)当然、オミナェシは側面を見る生花であって、花頭の上部から見せるような活け方は格好がよくならない。このように立てるように活けると、花首の小部分の茎も見え、特に大切なことは葉の部分が美しく見られ、緑の部分を引き立てることになる。花首の段を考え、その部分に緑の葉をみせる。一本一本の高低と茎の揃え方を美しく、その中に真の花茎は少し曲りのあるようにため、また、留をかなり長くさし出して、これも曲線のある柔らかみをみせて、そのト部にたっぷりとした緑の葉がある。水ぎわを及しく揃えることは当然、必要な技巧である。副材(ねじめ)に他の草花をつけると花形が作りやすいのだが、一師むずかしい。オ、、、ナェシを一本もって中段の小枝の上方を切りはなし、その下部のところへ横枝のある部分を二つ三つあつめて留を作るのがいちばん作りやすいが、また茎の細いものをためてそれに添えて留を作る。(この写真Rの様に)これが形もゆるやかに見える方法である。花器の水と花形の足もとの接点(みずぎわ)、この技巧を美しく作ることに注意する。lIとなると留の部分が種2生花おみなえし鴫一<'Ii ~

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