テキスト1978
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R枯れものの材料とコウホネの配合である。オーストラリア産の材料だが出生の状態がはっきりわからないが、名は(ブラックボーイ)という。今年に入ってからはじめてみる材料である。先週、東京高島屋の日本いけばな芸術展の会場でも出品作の中にこれを見かけたが、草質の材料だがおおまかな太い曲線の形が中々面白い。あしらいにコウボネの誤緑の葉、黄色の花を添えたが、茶掲色の枯茎との対照が奇抜な感じである。花器は白と黒の新しい憾党の亜に挿したが、花材と花器の調和が新鮮に必じられ、日本的な水草のコウボネが、この垢^'ブラックボーイは別の印象をうける。この取合せは一応うまくいったと思う。三本のプラックボーイの茎を壷の口もとで左右の閥附をつくり、はなして挿したのもゆったりとして見え、花型をたっぷりと慇じさせている。花器は京都の陶芸家近藤豊氏の作品で、大きい壷ではないが、豊かなふくらみが形をより大きく見せている。形というものは大切なもので大きい壷でもまとまりすぎて小さく感じる花器もあり、小品でも大きく憾じる作品もある。花も同様、小さくとも広がりのある性格が大切なのである。コウボネRカミリオクラダスRカキツバタの葉、ミリオクラダスの緑、デージーの白花を添えて盛花をつくる。平凡な取合せだが、直線的なカキツバタの葉と群りのミリオクラダスの対照が少し変わっている。デージーという花は季節の材料だが平凡な花である。これでよい盛花瓶花を作ることはまず無理だろう。稽古用の花型練習のためにはよいが、好ましい材料ではない。ミリオクラダスを紅葉のナッハゼにとりかえて(カキツバタ、ナッハゼ、デージー)といったところが、練苦用花材に適しているし、基本型も作りやすい。Rの作品(こうぽね)と、Rの作品(デージー)とをくらべてみて、工夫のあるもの平凡なものとの、況迩を考えて下さい。デージーキツバタの葉8 @

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