テキスト1978
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植物で「グロリオーサ・カルソー二」という草花だが、一般に「印度ユリ」ともいわれる。緑の葉に赤色のユリの花、葉先がツル状になっており、葉先で他の樹木草茎にからみついて上昇する性格をもっている。この性格の植物は他にも多く、「籐」トウ、も熱帯性の蔓だが、これも葉先を他の栢物に巻きついて上昇するのによく似ている。花器は黄褐色の陶器で。ヘルシャ瓶の様式のものだが、花との調和もよい。アロカシアの葉を一枚、中央の前へさし出して、この瓶花をひきしめている。なんとなく異国趣味の感じだが、クリスマスから新年へかけての洋間の花として適していると思うひろがりのある花なので左右へ花釜をわけて入れ、左を重く右を軽やかにさして花形のバランスを考えた。騰梅(ろうばい)は騰月(十二月)に咲く梅というのでこの名がある。ろうばいの花は淡黄色の騰びきの花の様だ、というのでこの名があるという説もあって、このろうばいに「らんこうばい」といい花の中に褐色のあるもの、「そしんろうばい」といって淡黄一色の種類のもの、この二つがある。そしんろうばいの方が美しく品格がよい。下の写真は11て風雅な趣味の花である。p1の瓶花について書く。熱帯の月28日に挿けたのだが残り葉があっRソシンる。花器は白く淡青色の壷、褐色の絵が描かれており、その晩秋の柿の絵を裏がわにまわして、一部分だけ見せるようにして花を挿す。このロウバイは黄ばんだ残り葉があって初冬の感じが深く季節感がある。ロウバイは十二月から咲きはじめ新年の瓶花に用いられることも多いのだが、その枝幹の形と色、淡黄の花が品もよくあざやかに美しい。へよせて調子をかえて挿したが、たっぶりとした緑の葉もロウバイと調和よく、新鮮なうるおいをみせていると思う。R若松と白椿を褐色の壷に活ける。この花器は横に広く前後がせまく、色は上方はチョコレート色、下部は少し淡い褐色で、色も形も明るい感党の陶器である。根つきの若松、栽培で醐子を変えた松と思われるのだが、新年の瓶花には適した材料である。二本直立させ少し前方ヘ傾けて安定させる。株もとをあけてニ本たてたところにこの瓶花の考案がある。緑の松葉に対して白椿の花と葉。褐色の壷、この瓶花に華やかさはないが、なんとなく新年の花らしいすがすがしさを感じるのではないだろうか。椿の枝と葉、花の配列によって皿早かにたっぷりとした感じをみせている。ロウバイと白菊もこの松と白椿も、新年の床の間にふさわしい瓶花といえるだろう。ロウバイに白菊を添えて活け副材に添えた白菊の大輪四本、少し右椿の形をひろやかに挿し、この瓶花はR 2

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