テキスト1978
54/146

Rてっせん⑧かきつばた(生花)R腰高のまるい透明ガラスの壷、外国製のガラス器だが彫刻がかなり技巧的によく出来ており重みのある花器である。紫のテッセン小品の花は数少く、しかも少ない花を花器によく調和するように、ぴりっとしたボイントをしっかりつかんだ活け方が必要である。花器によく調和する花であること、色彩的にも強い色彩がよく、軽く挿し入れてしかも形よくしまりある花であることが望ましい。このテッセンの小品花のように、ガラス器の清爽とした感じに軽やかなテッセンの形、しかも紫の大輪花は色彩的にも美しく、しかも彫刻ガラスの尖鋭な光りに紫が謁和するという、そんな計算が必要なのである。を3本入れる。左右20センチ程度の小さい花器である。Rかきつばたはやさしく優雅な風梢のある様に活け、花菖蒲は背高く清爽な感じに活ける。かきつばたは女性的であり花菖蒲は男性的な梢紹を花形の中にあらわす。同じあやめ科の花ではあるが、生花ではそんな考え方が作品の中にあることが望まれる。写真の住花は四月の上旬、かきつばたの初期のころの花で、特に小品的に小さく活けた。花は爽、胴に2本、葉組みは真、副、留が三枚組み、胴は五枚組み、控は二枚若葉の咸じに入れる。花器は黒色の陶器で口の広さはかきつばたの緑の葉に対する黒色の陶器は色彩の調和もよい。生花としても小品のしまりのある花形だが、品格のある作品といえる。i4R @

元のページ  ../index.html#54

このブックを見る