テキスト1978
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c c濃い紫色の。ハンジーを二束買う。一束三00円。これにフリージャを添えて軽い盛花をつくる。可愛いい部屋飾りの花を作るつもりである。花屋では。ハンジーの足もとを輪ゴムで束ねて花の頭を揃えて売っている。実に美しい。束をほどいてバラバラにすると段々と活けにくくなるのは以前の例でも知っているので、そのまま束のまま剣山に立てる。二把でこの写真の様になる。四月下旬になると花木の花も終り方となり、厚ものの桜も若葉の中に咲くふさごくら、桃の残花、すおおの濃い赤紫が春の花木の終りをつげるようになる。この季節になると若葉の緑のすがすがしさ、水辺のかきつばたを好むようなうつり変りをひとしお感じる様になる。花の色もさっぱりとした白色、緑の葉、紫系統の色など淡泊な調子のものが好まれる。青楓、山木の緑、かきつばた花菖蒲の紫、河骨の黄花、やがて睡蓮という様に春から夏へのうつり変りの季節である。きのうくの作品をみたが、すでに会場はむ(4月13日)ある花展で多うつ。一、二本だけ花をさし出してアクセントをとる。前方左右ヘフリーヂャの葉をとり整理して挿し添える。その後フリーヂャの葉を挿して形をとり出来上りである。それに調和するような明るい花器(淡紫色)に入れたが、この作品は花の形と色調、花器との調和、まずこれでよし、ということになる。一つのねらいどころにぴったりする花、いつもこれが必要である。し暑く、参観者の多い会場では出品のいけばなもなんとなく色彩過剰といった感じがするのだった。その中に白色、紫色、淡黄色系統の花は清楚に見うけられ、たっぷりとした緑の葉にはことにすがすがしさを感じたのだった。中でも淡紅色の花は重苦しく感じられ、紅色の牡丹の様な大輪花ほど反対に効果がない、と思をるのだった。七月に入るころの夏に入った季節には強い赤色系統の花が緑の葉の中に見えるのは意外に淡泊に見えるものだが、五月ころのむし果さの季節には、花の色もビンク系統の紅色は却って重苦しさを感じられる、と思季節の色フリージャノぐンジ一

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