テキスト1978
40/146

R桜には種類が多い。椿にも八百種程度まで種類があるように、日本の花木の中でも百種にも及ぶ多くの種別がある。ヒガンザクラ、ヤマザクラ、シダレザクラ、ソメイヨシノなど一般に知られているものから土地名を冠したもの、たとえば宮士さくら、大品さくら、千島さくら、仙台しだれ、台湾しだれの様に特徴のある花を咲かせる品種もある。カンザクR さとざくらむぎし、.oラ、元日サクラの様に晩秋から初春に咲く種類、フサザクラ、ウコンザクラの様に花の形と色に変化のあるもの、神代桜、淡艇桜、御車返し、普賢像、などの様に文学的な名を附した桜、品種も多この写真の盛花は、サトザクラ(八重咲の栽培種)の老木の直幹を二本きってしっかりとした深い水盤に立て、その枝の開花を中心に花形を構成している。左側にムギの緑の穂と葉を副材として添えたが、桜とムギという春の季節感のある材料を取合せていることと、色彩的にも清爽な梢紹があり、また、日本的な趣味に調和するそんな落若きを考えた作品といえる。江登壮な日本画的な盛花ともいえるだろう。2

元のページ  ../index.html#40

このブックを見る