テキスト1978
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この生花は真と留のバランスがよく作れている。ためた形も柔かく技術的にすぐれており、控の枝を数本立てて自然風なところにも雅致が感じられる。ことに水ぎわの美しいよせ合せなど、実によく出来ていると思う。真留の柔軟な形づくりに比較すると副の形が平凡である。少し長すぎる点もあるが今一段の工夫が欲しいところ。胴を整く作ったところなど好ましい調子だが、副の形の堅い感じなのが気になる。ぼくはよいのだがとれに添えた小枝二本が平凡なのであろう。→ 毎月、家元で行われている盛花瓶花の研究会である。昭和25年ごろから始まって毎月休みなく28年間もつづいているのだから、会員の熱意と努力も大したものである。永い年間のことであるから会員の顔振れも変っているが、師範資格の人達が例月20名から30名程度まで出席して各自の作品を作り、家元の率直な批評をうける。厳しく暖みのある会である。花曜この会は生花部門の研究会であって、はじめられてからすでに10年近くなる。毎月は日夜に家元に集って季節の花材の生花と花型の研究作品を活け、例月ごとに研究課題を選んで作品を作る。京都観世会館で生花の作品発表会を開催したこともあり、倉敷の立花流枝会に全員揃って参加したこともある。行動的な会であり、熱心な生花研究の会である。(あずさ)の会会梓梅藤林慶行作10

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