テキスト1978
30/146

生花の「七種博」というのは、四季の草花の中で技法に特徴のあるものを七種選んで、その挿法扱い方を教えることである。別に「葉組み七種」ともいわれ、すいせん、いちはつ、かきつばた、はなしょうぶ、ぎぼうし、しおん、ばらん、の四季の七種類の葉ものを生花につくる。その活け方をいうのである。この七種の葉ものはそれぞれ特徴変化があり、生花として風情のあるものであって、初歩的な挿法より高度な技法まで、それぞれ興味深いも‘,0のであるが、また生花の中でも技法のむずかしいものといえる。七種偉として教えるものは、七つの葉ものの活け方のうち、初歩的な程度を教えることになっており、高度の花形や技法は七種他においてそれぞれ述礎となる技術を修めて後、研究することになる。ばらんは十三枚まで、すいせんは水盤五本生(三花)、かきつばたは水盤三花五葉、いちはつ三花五葉、はなしょうぷ二花五葉、ぎぼうし二花七葉、しおん二花七葉。以上を「七種博」において習う。この七種の葉ものはそれぞれに違った個性があり、葉数組み方が定っており、形よく活けるのがむずかしRこの作者は家元直門の中でも個性的な生花を活ける人である。あしらって、普通の調子とははずれた中に風雅な感じを作りあげてこの写真の作品でも古木に枝を梅(生花)いるのが面白い。ことに右方の招と控は一本づつ入れて清楚な形をみせている。足もとの右がわの寄せ合せが平凡であるところが欠点であろう。今井田慶文作七種博 , 4@ あまい感じにすぎて,普通の場合は意外に使いにくいものである。花を10本もかためて挿すといった特殊な挿し方が個性的でモンステラカーネーションゼンマイR カーネーションという花はよいのだが,写衷の盛花はゼンマイという渋いものと挿しあわせ,モンステラの葉の形との組み合せによって,この盛花に新鮮な個性を作っている。R

元のページ  ../index.html#30

このブックを見る