テキスト1978
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R普通のスイセンの終る一月の末には湿室の黄水仙が美しくなる。温室咲の黄水仙が満開の花を揃えて咲いているのはいかにも華かに美しい。瞭乱といった感じだが、緑色の大きい水盤に大輪菊の淡紅色の花を――一本そえて盛花をつくる。一般的な取合せだが、水仙の花を高く花首をそろえて並べ、右方に少し空間をあけて一本入れ変化をみせている。菊の花の位置を高く低くならベて、水仙の形にそう様に配列した。温和な盛花だが配列と空間に注意した花である。⑧)庭の黒竹を切り白百合を添えて瓶花とした。黄土色の鉢様式の花器に砂を入れ、剣山を使って挿す。平凡な配合だが緑の多い新鮮な慇じの瓶花といえる。真に百合2本、留に1本を入れ、副胴控えの位四に竹棠が入っている。これにやぶ椿の赤、ボケの赤い花の枝を添えると一段と風情を増すだろう。今月号テキストの写真を撮影しながら午伽4時、活ける花材もなくなって、なんとかもう一作と竹を切って活けたが、やはり平凡な作品となった。R黄水仙菊テッボウユリ⑧黒竹⑧ R 10

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