テキスト1978
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Rきのうまで若松を活けた青竹の箇、まだ色もよく水でよく洗う。清新な感じで、これにムギと浪赤のバラ2本を入れる。さわやかに新鮮な感じの小品花が出来た。明日は成人の日、それにふさわしいすがすがしさが感じられる。この瓶花にはもう少し竹の細いのが適当なのだが、早春の感じのよく出た花となった。花屋の麦には葉の新鮮で美しいものが少くかなり大きい一束から選び出して穂の美しいもの、葉の傷んだものは先細く切りなおして使う。上質のバラは葉も美しくこれを2本添えると、色彩もよく竹筒も活き活きとしてみえる。竹器の中へ小剣山を入れ麦を挿し、バラは丁字留でとめる。がよく、自然の花木や水仙、椿の色彩感もよく様な材料は数日後、活けかえるとき、水で洗って水切りをし、活けなおすと再び新鮮に見られ、日持ちもよい。湿室咲の花には水をかけない方↓ 岩田慶寿作この生花は行の花形である。真は中心より左方へ少し倒れているが、こんな花形も風雅に自然風な面白さをみせている。副にこけぼく一本、この枝に曲があり中途より前方へ曲っているのだが、写真では真の一部と接触しているようにみえるが、前後に距離と空間があってふれあっているのではない。この作品は全体の花形のバランスもよく、ことに右方へのびた留の老木が美しく使われていて、留の沈みから控まで技術的に処理が行きとどいている。胴の部に枝の整狸のよくない部分があり、これがこの生花の欠点となっている。またみずぎわの揃え方に不充分と思われる点とを合わせて残念に思う作品である。バi一

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