テキスト1978
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R ウメモドキの赤い実、青色のアイリスの花。この取合せは二種とも線条の材料でむずかしい配合だが、ウメモドキのまばらな枝とアイリスの曲線の葉の対照が意外に面白い感じをみせているのは色の配合によるものだろうと思っている。花器は京都清水の竹内真三郎氏の作品でこの掲色変形の陶器は重厚な感覚があり、花の調子を明るく見せている。Rの前部の花形とRの側面の形を見て、複雑な変化の中に奥深い配四が感じられると思う。ウメモドキは晩秋を彩る実ものだが、俳趣とでもいえる雅致のある材料で、野趣の深い情緒をもっている。実の群がってつく枝よりも枯れがれとした小枝の見える実つきの少いものが好ましく風雅である。美しさを見る材料ではなく、素朴な晩秋、初冬の情緒を感じる低木の材料である。疇`11 ウメモドキアイリス@ ~ r王J,

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