テキスト1978
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c今年の秋は暖かく水仙の花がおくれている。普通の年は11月中旬をすぎると初花の新鮮な花をみるのだが、ようやく12月に入って見られるようになり品質もよくない。この盛花は水仙、アロカシアニ種を取合せたのだが、小品的な感じの花で淡白な調子の花である。ァロカシアは観葉植物の中でも菓の形にしまりがあり、葉色も美しく(裏が紅褐色)どの花材にもよく調和する。この盛花は水仙の直上する花葉の形と、横線のまるい形のアロカシアの組み合せで花形をととのえている。温和な趣味の盛花だが簡指に作れて感じのよい盛花といえる。c ⑪オレこけつきの古雅な枝を三本、1器の蛸壺に入れる。あしらいに白い細弁の菊五本、これは供<蕗符きのある瓶花である。花形はくちなしの真、副、胴、左方に小枝のくちなしを入れている。菊は中間高く低い位岡に留の花二輪、後方に控を一本。これは右勝手斜体の基本形である。くちなしは六・七月ごろに白い花を咲かせ、ことに香りがよい。実は秋に入って紅黄色となる。円本中国の原胚といわれているが、果実が熟しても口をひらかぬので口なしという。ンジ色の丈をつけた「くちなし」⑪ くちなし弔弁白菊。スイセンァロカシア-9

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