テキスト1978
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~ヽR丹波焼の小さい徳利、褐色の洒壷である。口が小さいので細い茎のものしか入らないが、栗の小枝三本、淡黄色の菊一本を入れてみると、中々よく調和して落若いてみえる。山裾に野生する栗の実が八月すえから九月へかけて大きくなり、私逹の花材に使うようになると、長い及が終ってやっと秋を迎える気持がしみじみとして、ほっとする思いである。美しい花も多いが、さわぎきょう、はぎ、おみなえし、すすき、コスモス、ほととぎすなど、初秋の花の、その季節を迎える私達は、新しい秋のさわやかさとともに、手にふれる秋草の冷えびえとした感触を、一恩深く味わうのである。Rくりきく(高さ40センチ)Rすすきけいとう(高さ70センチ)~~ -9~ d c::: る。花器は台湾陶器の藍絵の花瓶である。白磁にあい絵の花瓶を染めつけ花瓶ともいう。R @ すすきにけいとうを添えて活け写真の花器には台がついている。これを瓶台という。このごろ日本の陶器でつけることもなくなったが,11::i国では今日でも瓶台をつけて使う様である。写真の花は平凡な取合せだが,花器に調和している。/ i&i 6 //

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