テキスト1977
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この花瓶はインドの金屈器である。寺院に使う仏器らしいのだが、渋い金色に沈んだ色の青、赤の図案が描かれている。異国情紹のある花瓶といえる。60センチ程度のかなり背の高い花器である。背の詞い花器には上方を低くして花瓶に重ねる様に花葉を垂れて活けるのが常識となっているのだが、この瓶花も口もとからテッセンとあわの穂を垂れさせて、平凡ながら温和な趣味の花を活けている。左方にアワ、右方に白花のテッセンをわけて入れ、右方の下部にアワを一本入れて変化をみせている。細い茎の二稲の花材を技巧的に活けた花といえる。口もとより上へ10センチ程度、下へ40センチもあわの穂をさげて、この背高い花瓶に調和する花形を作っている点に注意したい。厚味のあるかなり大きい作品である。ブローニ旅愁を想いおこす。ュの森、美しい花坦、横光利一の花6;,, シャンゼリゼの大通り,遠くに凱旋門がみえる。有名な喫茶店ブーケの店外のテーブルには,美しい花がいっばい飾られている。Iii.?! I' あわてっせん覧`

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