テキスト1977
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R竹器の二重切筒に瓶花を活ける。ナナカマドにハナショウブの紫。こんな竹器に自然趣味の瓶花を活けるのむまた感じが変わって雅趣がある。上にナナカマド、下にショウプを堅くならない様な楽な調子に挿す。花器も古風だし花型も古風だが、また意匠的で面白いと思う。R分体花形の盛花である。分体花形は株分けの意味でこれも伝統生花の形だが、それをつとめて自然風に作り花材の配合を変えてみると趣味の深い盛花になる。ムギワラ菊といわれるヘリクリサム(黄褐色)ミリオクラダスの緑、それに水色のアジサイが色彩的にも美しい。c c渋い紅色と褐色の。フロテアの花5本、ヒトデカヅラの葉6本、珍しい配合である。花器は淡い褐色の新しい造形様式の陶器(竹内真三郎氏作品)である。この花器にこの花は感覚的にもよく調和していると思う。花器は花を引き立て花は花器を引立てることが大切だが、この二つを配合する活ける人達の考え方がこの二つを結び合せることになる。鋭くきびしい感じに仕上げるか、ゆったりと華やかに作り上げるかは、その作者の志すところによる。cの瓶花に。フロテア・メリフェラという珍らしい花を使っている。南アフリカ共和国の国花ということだが、熱帯国の花らしい強くたくましい感覚の花である。色は朱赤色の花で葉はマキの葉に似て、一年中咲きつづける花だという。手にとってみると粘着性のある液が附若して、これに糖分があり、これから砂糖をつくるといわれている。プロテアには一00種類ほどの同族があり、昨年の春、朝日会館の専渓個展で、この。フロテア・キナロ千デスをかなり大量に使って大きい作品を作ったが、そのときは、柏の樹根を大きく組み合せ、カシワゴムの大葉と。フロテアの三種で造形的に作り上げた作品だった。このプロテア・メリフェラはかなり大きい喬木らしく葉は細い柳葉に似て性質は硬く厚い。そのころ初めて若荷した珍らしい植物で、このキナロイデスをキング・。フロテアといい、メリフェラをクイン・プロテアという呼び名で照介されていたが、植物固鑑などを調べているうちに、この名がわかってきたという程度の、今日ではまだ珍らしい花である。ストレチアの赤花は一般的によく知られているが、白花のオーガスタの様に巨大な花と、するどく強剛な感じをもっているものは、その反対的な優美さをもつ日本の花をみなれた私達には、入りこめない荒々しさを感じるのである。置↓ プロテア・メリフェラ人手かずら11 r

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