テキスト1977
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前の。ヘージでばらんと杜若について書いたのでその原稿をつづけてみる。一時はやった花でこのごろは流行おくれといった感じのするのは、カーネーション、ストレチア、スイトビーなど。ストレチアなど出廻りはじめたころは、実に珍らしい花でもあり「極楽鳥ばな」という名にも魅力があって、花展の材料に随分使われた花だったが、今日ではその人気も落ち方で白花のオーガスタだったら、ということになっている。カーネーションは大衆的に好まれる花だがいけばな材料として今日では面白くない材料になり下がっている。スイトビーの枝つきは中々いいものだし花首を百本ぐくりの温室咲きなど流行的人気があったのだが、これも見なれると甘いだけがとりえの花ということになって、いけばなには使うことが少ない。アネモネやマーガレットなどもひと昔の花の様に一般から見はなされている様である。戦前ごろは、いちはつ、あやめなど季節の花として四季の花のメンバーとしてもてはやされたものだが、これもなくてもよい花の中に入っている。その他、年代がかわるにつれて、花にも流行的人気のある花があって、ここにもうつり変わりのあるのが面白い。12

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