テキスト1977
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ヒナゲ、ソはオレンジ色10本ほど、白花が2木ほど交っている。梅のこけ木が2本、大きく曲のある形のものを花器の中へ横俣しにならベて、その空問にヒナゲシを挿し入れ、それの背景の様に緑の麦の穂と葉が見えている。花器はタイ国製の木の鉢である。変わった配合である。コケの幹と草花の配合も面白いし、コケの色とオレンジ、黄緑の色彩の配合も大分変わっている。花材の配合について、形の上からも色彩の上からも、いろいろ工夫してみると変わった感じの瓶花、盛花が生まれる。強い木のボクと柔かい草花の組合わせは技術的にむずかしいが、結朱的には創作的な作品になる。梅のコケボクというものは渋く古い感じに見られやすいが、また使い方によっては新しい慇党を住み出すものである。c数日以前この壷を買った。宇野仁松の作品。黄褐色の飴ぐすりに仕上げた手附きのギリシャ瓶の形である。少し渋いがこれに白椿を一種挿しに活けた。なるべく花器をかくさない様に椿の葉をすかせて、枝の線があらわに見える様に、また花器の色が見える様に挿した。前方の垂れた枝と右方へさし出た小枝の椿で花型の変化をつけている。なく抑えた調子がむずかしい。派手な形でc みなさん、毎月のテキストを見るとき、花器について注意していますか。これまでのテキストを見返してごらんなさい、花器にも随分種類があるもの、と息いませんか。テキストの写真を作るとき花によく調和する花器を選択しますし、特に珍しい材料や、特殊な花形を作るとき、充分考えてそれに調和する花器を選択します。自分の好きな花器は幾度も使うことになるし、写真うつりの悪い花器は殆ど使わないということになりますが、それでも自然にいろいろ変わったものを使っている、と息うのですが如何でしょうか。私の家の花器ばかりですから、自慢のようで悪いけれど、こんな花器にはどの様な花が調和するか、どんな花形がうつるかについて参考にして下さい。新しく見る花器に気づいた方もあるでしょうが、例えばこのページのRの銅器、cの手附壺も今月に見つけてきた新しい花器です。4ページのRと、且ページのRの花器もはじめて使う花器です。(仁松作)写真で見てもよい花器(陶器、金属器などの儀れたもの)と一般的な平凡なものとの区別はすぐ解るはすです。花形さえよければ花器は無閑心というのは低級な考え方です。花器もよくいけばなもよい、ということが完全な姿です。よいものを見分ける知識がなくては、よいいけばなを知ることにはなりません。普通のよさだけに満足せず、より高くより優れた花を、同時に花器に対する理解を深めたいものです。花器に注意をつばき一種R-~

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