テキスト1977
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(7本)を盛花にしようと考えている。一種挿しの花というものはさっばりとしていいものである。二種三種と取り合わせるのが習慎のようになっているのだが、ときどき一種生けにしてみると気分も変わって、すっきりと感じられる。大体、主材に副材をつけるのは主材だけでは物たりない、色どりが淋しい、といった場合だが、一秤類の花で形も色も充分というときは、あしらいの花をつける必要はない。きのうバラの濃亦、緑白、紅色の色をまじえて五本活けたが、新鮮な感じの花となった。次の週はラッパスイセン椿一種、フリージャ種など好ましい花である。盛花の場合も瓶花の場合も同様、一種挿しは淡泊でよいものである。一種挿しの花は簡単な様に思えるが、ニ種挿しよりむずかしいのが普通である。これは生花の場合も、瓶花、盛花の場合も意外にむずかしい。バラ、カーネーション、菊、など一種のときは花の配列と、色の配列について格別の注意が必要であるし、花形の前後高低、沈み、奥行きなどによって変化を作る。ことに花の配列について、・八輪と花を重ねてゆく上に、その配四に技巧や考案が必要になってくる。種挿しの花一種、かきつばた一五・六輪、七一秤R視代調の生花、そんな感じの花である。牛花は伝統の花であって―つの約束のもとに形式がきまっているのだが、この約束から離れて自由な考玄で生花を作ろうとする考え方、そんな作風も堕ましいと息うのである。生花の形式と技法により、花材の選択や配合はひろやかに自由に、思つままに考えるということになれば、牛花もずっと明るく新鮮な感じを出すことが出米るだろう、というのがこの作晶の考え方なのである。ヤナギ1本、緑色の葉とオレンジ色の百合の花、銀色のネコヤナギの実。明るい盛花に見るような取合わせで、しかもびっしりときまった生花の技巧がある。これも新しいいけばなの―つである。シュロチク1本、スカシュリ2本、ネコこれはR シュロチクスカシユリネコヤナギ4現代調の生花

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