テキスト1977
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15センチ程度の高さに大輪の紅花直弁の花が咲R秋十月から十二月まで返りばなの牡丹が咲く。これを一般に「筵牡丹」と名付けている。き、ずんぐりとした形の中に豊かな品格を見せている。今年の秋は暖かくのどかな天候であったためか、例年に見る寒牡丹のひっそりと咲く姿とは様子をかえて、のびやかな牡丹の花、葉もたっぷりとした感じに見える。黒く褐色の手付きの篭、こまかい編目の篭がこの寒牡丹によく調和していると思う。R黄褐色自然釉の水盤。手造りの陶器にゆったりとした雅趣が感じられる。水仙を五本、花と築を離してずつ挿してゆく。自然のままの感じに株をまとめて、中央に水面をみせ、左方にあざみの紅花を入れる。これも自然のままの形に水仙と高さを揃えて分体花形の花形を作る。中央の水而を美しく見るところに技巧があり、したがって水仙の水ぎわ、あざみの水ぎわの技巧を美しくととの一本えることが、この盛花のポイントといえる。今年の秋は暖かく牡丹はのびやかに花を咲かせているのに比較して、水仙の花がおくれているのは例年と迩った天候によるものだろう。五月に咲くあざみは太くたくましいが、秋に咲くあざみは細々として佗びしげである。月あざみともいわれ、また別に「たむらそう」とも名付けられる。田畑に群がって咲くという雅名かと息われる。8十@ R

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