テキスト1977
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入る。すいせん・つばきの季節となった。やがて裸木の冬に専渓露花西南アジア、チグリス、ユーフラテスの流域はメソポタミア文明の発祥地であり、ガラス、陶器について古い歴史をもっている。写真の壷はその地方の陶窯でつくられた古い壷で索朴な造形に饂青と緑色で描かれた草花校様は、手荒い技巧の中にその風土を感じさせる陶器である。鶏頭(けいとう)の大きいかたまりを二つ、地咲きの濃赤色のバラを添える。この花器の性格に調和するように技巧的でない強いタッチを考えて入れたのだが、色彩的にもよく花器と花が―つになってある情感をつくり出していると思っ。これは形式技術にとらわれない感覚的な花である。壷の中へつつ立てて、毎月1回発行桑原専慶流淡黄色けいとう誤赤色ばら編集発行京都市中京区六角適烏丸西入桑原専慶流家元1977年12月発行No. 174 いけばな

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