テキスト1977
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すすき、フォクスフェースという洋種の瓜の二種、狐の頻に似ているのでこの名がある。淡黄の変った材料だがあまり趣味のよいものではない。よほど配合を考えないと失敗する材料である。この盛花は淡泊な調子に小細工のないところがよいのではないかと思う。フォクスフェースではまずよい方であろう。花器は黄土色の横長の水盤で足もとのゆったりと空間をみせているところも技巧を美しく見せている。現代的な盛花として新鮮な感じが出ていると思う。「桑原先生立花をつくる」その風景です。三日問ぷっとおしで、そのうち三時間だけ睡眠をとって、疲れはててくたくたという格好です。雑然とした作業場、これでも格好よくやっているつもりですが、とにかく体裁おかまいなし、そのままのスナッ。フ風景。瓶花や盛花の場合はイスでも結構よいのですが、生花になるとどうしても座らなくてはよい花は入りません。ことに立花になると、安座の姿勢で立ったり座ったり、高い位置もずっと低い位箇も、時には腹ばいになってみたり、上向きに寝て水ぎわの作業をしたり、一生けんめい考えつつ重労働をつづける。習慣にもあるのだが、まず安座して腰をすえないと細部の仕事が出来ない。頭髪はひっくり返るし顔はよごれている、服はすすきフォクスフェース10 ある日の立花師盲

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