テキスト1977
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(水引きをかける)若松は新年の床飾りに活ける生花である。また結婚式などお祝の席に飾る儀式の花でもある。新しい年の始めに若木の松を活け、また新郎新婦の門出を祝って、長寿の松のその若松を活け幸運の永からんを祈る。祝儀第一の花ということが出来る。若松は一本すじの松を七本あつめて生花に活けることが正しい挿け方だが、また略して枝のある若松をあつめて活けることもある。若松には水引きをかけるのが伝統の形式になっており、これは古来、儀式の床の間には神像の書幅又は書軸をかけて、この尊貴の前にお供えする意味より始まって、水引(金銀又は紅白)をかける習慣が起こったのだが、その後は時代が変わるにつれて、若松に水引きをかけることは、ただ新年を迎える形式の中にただ装飾的な意味を残すのみになった。花器は新鮮な青竹を切り、それに真の花形に活け、水ぎわに紙を巻き水引をかける。(略して白竹でもよい。)若松には荘重な感じのあることが大切であり、花形は爽の形に活ける。真、副、真かこい、見越、胴、控、留の七本を入れ、水ぎわに紙を巻く。水引きは白亦の場合は赤が右、金銀の場合は金が右、銀が左である。このごろはほとんど金銀の水引きを使うことが一般になっており、活け上げた若松の水ぎわに紙を巻き、一応、水引き(5本又は3本)を丸結びにして、その上で別図の様に水引きをかける。紙の高さは10センチから12センチ程度にかけ、その下部に光松の幹が2センチ程度みえるのが形がよい。挿け上げの後、写真の様に黒い塗板(はまぐり板)をしいて飾ると調和がよい。(水引きのかけ方)R5本の水引きを揃えてまん中を糸又はハリガネでくくると結びやすい。方力の銀の方をとりR図の様に円を作る。R右方の金をとり銀の後方より左へ廻して⑪圏の様に銀の上へ璽ねる。c銀の下をくぐらせて、また銀の上へのせ、最後に金の下をくぐらせて、更に銀の上へ引き出す。はじめは大きく結び、段々と輪を小さくしめて行き、上の若松にかけた水仇きの様に形をととのえる。形が出来上ったら、水引の両端をよく揃えて鉄で切り揃える。← ・e,,・・,m・' 8若虚松喜

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