テキスト1976
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初に行ったのは花市場です。のいけばなを、お目にかけるのですから、何とかすばらしい花を手にいれたかったのです。の建物で、二階が切花、一階が鉢植物の売場にわかれています。それぞれ百軒以上の卸売の店が出ており、7時半に私逹がいった頃は仕入れにローマについた翌日の早朝まず最何しろローマ法皇に、初めて日本花市場は約四千平方メートルほど来た小売の花屋さんで、ごったがえしていました。それほど珍しい花はないのですが悔芋はローマ近郊の農園で切ったものらしく、似―つなく、私の背ほどの長さがあります。バラも良い品は1米位に切ったものが各色揃い、長さ鮮度ともに申し分ありません。いけるのが楽しみな花です。切花類を買込み、一階の鉢柏物の売場におりましたが、それぞれの卸屋が得意の品物を持ちこんでいるので、その種類の多さにはおどろきました。これだけ色んな鉢植物が一ケ所に数多く集められているのは見たことがありません。観葉植物、花木の鉢物が何でも揃います。特に色のよかったイタリヤアル。フス産の深紅のシャクナゲの他鉢柏7点と切花12柾を充分吟味して買いこみました。化市場の外の呑地フラワー屋には松の盆栽まで売っており、仕入帰りの花屋さん逹で一杯のカフェテラスもにぎやかで花市場の屑附は活気にあふれています。花も揃ったのでローマの町を廻ってみようということになり、まず行ってみたのが、カタコンプです。初期のキリスト教徒の地下の墓地です。その煩のキリスト教徒はローマ皇帝から大変な迫沓をうけており、信仰を維持する為には、かくれて祈り、教えを受けなければならなかったのだそうです。うっかり見つかればコロッセオに出き出され、ライオンにひき裂かれる運命にあったのです。その為地下深く迷路のような穴を掘り、信徒の墓を作り、所々には礼打の広場を作っております。如何に信仰の為とはいえ、よくもこんなに深く長い地下迷路をこしらえ上げたものだと、その信念の根強さには唖然とします。そうした私逹からみれば、想像もつかないような根弥い信仰心は、やがて何枇紀か後に壮大で雖麗なザンピエトロ大寺院を住み出します。小さなヴァチカン市国にそびえるサンビエトロ寺院、法皇庁には、キリスト教世界の中心ローマ法呈。ハウロ六担が屈られます。サンビエトロ寺院というのは、何といったらよいのか、多分本願寺を百位つみ重ねてもすっぽり入ってしまいそうなくらい壮大な寺院です。二百年かかって作り上げたといいますが、その僻観はカタコンプの地下逍跡をこしらえた根強い信仰心が明かる<閲花したものといえるのではないかと思います。財力のある者は莫大な寄進を。才能ある建築家や芸術家は才能をかたむけつくしたでしょうし、又戦人逹も出来得る最高の8 ..... . ローマ法皇庁登殿門衛兵の制服はミケランジェロのデザインによるものといわれますいけばなデモンストレーション会場にてローマ法皇に桑原隆吉素子いけばなをD PJ

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