テキスト1976
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c二重切筒(にじゅうぎりづつ)になつはぜ、ショウブの―一種を活ける。なっはぜの枝振りのよいものを選んで曲のある真の枝と胴でバランスを作り、左方へ枝をさし出し、右方は小さい留をつける。みずぎわをひともとに美しく揃える。ショウブは右方より登り活け調子になつはぜとの調和を考えつつ真の花形に活ける。なつはぜ(右勝手)ショウプ(左勝手)の組み合わせである。ショウプの葉組みはそれぞれ5枚糾み、留は小さく作り花器の窓中へ小さくおさめる。緑の山木の葉と紫色のショウプの花の取合わせがすがすがしい。c 然生の花状の態伝を統写の実約す束るとだいけうでもはのなはく植物て、の自く使う。出生(しゅっしょう)という意味は、草木のもっている独特の個性という意味と、その植物の発生の状態をさす言葉であって、例えば花菖蒲は葉よりも高く花軸がのびてから咲き、かきつばたは葉先とほとんど同じ高さに花がのびて咲く、といった様に、また葉は枚ぐらいに組めているか、すいせんは一株に幾枚ぐらい葉が組めているか、といった一般的習性をさすその意味である。葉が幾枚と定って自然に発生しているものではない。自然といえば六枚のもの七枚のものもあるだろうが、その中で最も確率の多い普辿的な状態は、三枚五枚であるということを基本にして、これをかきつばた花菖蒲の葉組みとみなすのである。こんな考え方が伝統の形式といえるものであり、また生花に活け上げていちばん姿のよいのは三枚万枚の葉組みである、という美術的な考えのもとに、後進の人逹に「かきつばた、花菖蒲は二枚三枚五枚と組むこと」と教えることになる。わせて生花の芸術的な考案をそこに加えて、技法花形を定めたもの、といえる。生花では「自然出生」という言葉をよ厳密にいえばかきつばたも、花菖蒲もその他、これに類したことが多いが、あみ一組み幾3 花菖蒲の生花ナッハゼショウブ(二韮切筒)菓ま組ぐ

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