テキスト1976
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R黒色に淡青色の流れぐすりのかかった手附花瓶。この花器は百貨店の陶器売場にもある大衆的な花瓶だが形がよくすっきりしている意匠が美しい。高さが45センチ程度でギリシャ瓶の形をうつしているのだが、洋花が調和よくアスパラカスの垂れたもの、ツルバラの様な材料がよく調和する花器である。また反対に、ヒマワリやダリアの大輪花、アジサイの大頭など、花器アリアムスカシュリの口もとに乗せかけるようにずんぐりとかためて置くのも面白い。写真はテッポウユリの開花とつぼみを首短く入れ、タマシダの曲線のある柔らかな形のものを石、六枚挿して、上方は低く下方に花葉をさし出して高い花器とのバランスをとった瓶花である。花瓶の細い口もとと手の美しい形のひき立つ様に見せることが花器を活かすことになる。明る<軽やかな感じに作ることに注意した。R洋種のネギの種類、アリアムに黄花のスカシュリをつける。花器はオレンジ色のドイツ陶器である。下部のまるい形が変わっている。ネギの類は形が面白いが具気があってあまり上品な材料とは思えない。ギガンジュームという大頭のものもあるが趣味のよくないものである。タマネギは茎のまん中どころがふくれて面白い形があり、野生だが「ノビル」という細いネギ状の草が河の雑草の中にあり、これは風にふかれるままに曲線の屈曲があって中々風雅である。オレンジ色の花器に黄花の百合、ネギのアリアムの白緑の茎、この配合が色彩的にも、形からみても中々面白い配合であると思う。6 R タマシダテッポウユリR . 9、^, -~✓-~ 吋ダ1,1

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