テキスト1976
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この本のcこの瓶花は色彩花の作品である。形としては平凡なものだが色彩的な効果の高い作品といえる。したがって白黒写真では感じが出ない。とにかく文章でそれを補うことにする。黄土色の花瓶は高さ50センチほどの高さがあり、かなり大ぶりの花瓶である。上方の水の入る部分に底があり、穴のある下方の部分にも別に水の入る部分がある。濃い赤褐色の開花スカ.シュリ2本、黄褐色のつぼみ1本を挿す。下方のまるい穴にベコニアの赤色の花と緑の葉を入れる。この瓶花は赤色調の二種の花を配合して同色のかなり強い色の配合でまとめ上げてあるのだが、花器が変わっているのと赤色系の強い色彩、緑の葉が(百合の菜は浪緑、ベコニアは淡緑)色調に面白い感じを出している。花形よりも色彩効呆を考えた作品である。c ユオリニのュ種リ類は、コ、オおニよュそリ次、の程ヒ度メュでリな、いかスとカ思シうュリ。、ユリには種類が多い。私達がみなれているものでも三十種程度はあるに違いない。日本のユリ、外国種のユリを考えるとおそらく数百種にも及ぶだろうと思われる。江戸末期の植物学者飯沼欲斎の草木図説(嘉永五年)ー牧野宮太郎校訂!~を調べてみる中に百合科に屈している植物が60種あり、この中には野生種の百合、栽培種の百合をはじめ、百合科に屈するカンゾウ、スズラン、ギボウシの類まで含まベコニアれてはいるが、日本種の百合科の草花がこの様に多くあり、これがおよそ五月より九月頃までの季節に咲くことになる。またこれに加えて外国種のユリの種類も多く、ことに園芸品種の新しい種類を加えると全く数百利に及ぶことと考えられるのである。五月下旬より八月へかけて私達が普通に見かけるササユリ、タメトモユリ、カノコユリ、クルマユリ、タケシマユリ、リ、などであり、黒百合は乗鞍山頂など高地に野生しているのを見かけるが、一般にいけばな材料に活ける機会もまだまだ少ない。ウバユリは吉野山系などの隠地に咲く百合だが、わびしい緑白色の開花は中々花屋の店頭では見られない。またユリ科には、ヤブカンゾウ、ヒメカンゾウ、ユウスゲ、キスゲ、ニッコウキスゲ、バイモ、トウチク、ホウチャクソウ、ナルコユリ、オオセイ、ギボウシの類など植物学的には百合科に包含されており、その範囲は中々ひろい。クロユリ、ウバユリ、オトメュ3 。恥百合箋賂スカシユリ

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