テキスト1976
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という呼び名があります。これにあたるもので、古雅な趣味だが風雅な感じがします。R11ページの二つの作品は「もりもの」です。古い呼び名では盛りものといいますが、今日では「鑑賞果」というのが正しいのです。四季にある珍しい形をした果物、草花の根洗いもの、樹根、茸類、山野の実もの葉ものなどを配合して、盆に飾り、浅い水盤、自然木の枝、など風雅な器物に盛って床飾りに用います。実ものに花木の切り花を添えることもあり、いものを専らあつめて、形をととのえ意匠的な作品を作ります。Rは「瓢のつる付、トマト、なす、ざくろの実」を組みあわせて高低前後の配列を形よく盛り合わせたものです。色彩的に美しいものを選択するわけです。c水盤に「芭蕉」の花の淡黄色、実の緑色をならべて形を作り、ナルコユリの葉「切り花」をあしらって形をととのえる。水盤の一方に寄せて形よくならべ高低を作る。ナルコユリは小さい容器に水を入れて挿しかくす。以上2作の絵は古雅な趣味のものでありますが、来月号にはこれの新しい感じの作品を作って掲載することにしましょう。鑑宜に値するような珍し自然木(しぜんぼく)の板、これを地板(じいた)といいます。古雅な瓶花や盛物などに用いる道具です。文人趣味のいけばなに調和する花台です。c 芭蕉の花は秋になって咲きます。大きく香気の高い花ですが実はバナナの形をして緑色の小さい実ですが大きく成長せぬままに終わります。七日―こだご11 @

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