テキスト1976
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ヤシの花茎(淡い黄色)アンスリームの葉(濃緑)ミリオクラダス(緑)の三種を淡黄色の横長の水盤に入れた。緑と黄色の配合である。花を入れないで葉と細い線条の材料を取合わせて、変わった感じを出そうと考えた作品である。こんな配合の場合、色彩の調和のよいことと、三種の材料の形がそれぞれ変っていて、作り出す様に考える。秋の木の葉の黄と緑、紅葉をとり合わせて木の葉だけで美しい自然の彩りを見せるのもこれと同じ考え方である。緑の主調の中に変化をRバイモ一種の盛花。黒褐色の水盤(直径50センチ)にこの黄緑の料の草花をかなり多く盛り込んで自然の情緒をあらわした盛花である。バイモは百合科の草花で五月の花であり、これは温室栽培の早咲きの花である。普通は二、三本を小品の花瓶に入れる様な幽雅な感じの花だが、また反対にこの様に大量に挿すのも別の情趣が感じられて而白い。花のある茎、葉だけの茎を交挿して野生で咲く情景を感じさせるような風雅な写実的な盛花といえる。花展の大作の中にこんな作品も楽しい。アンスリュームの葉ヤシの花茎@ バイモ一種R @ R R 10 ロニ9ミリオクラダス

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