テキスト1976
43/149

小品とは小さい作品のことである。絵画、陶器などの美術作品の場合でも大作に比較して小品という言葉が使われる。また、文学の場合でも短い文章を小品というのが普通である。いけばなの場合でも小さいいけばなを小品というのだが、これはただ小さいというだけではなく、その中に気のきいたもち味のある作品、小さくとも見る人達に深い感動を与えるような内容の深い作品こそ、真実の小品花といえるのである。近頃、大作、中作、小作と大体の大きさによって区別を立てることになって.いるのだが、それがどこからどこまでという、はっきりとした区別はない。小品小作の場合、このかさは小さいが気のきいたもち味のある作品というところに重点を置いて考え、作ることが大切だと思う。この月号のテキストでは小品と、それより少し出た程度のものを活けて考えてみよう。春の小品花専渓毎月1回発行白花のラッパスイセンとクロトンの葉1枚、花器は銅器の古い立花瓶である。古い花器に明るい洋花の配合。意外に調和するものである。桑原専慶流ラッパスイセンクロトン(器・立花瓶)編集発行京都市中京区六角通烏丸西入桑原専慶流家元1976年4月発行No. 154 しヽけばな

元のページ  ../index.html#43

このブックを見る