テキスト1976
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@この花展には三瓶の立花を出品した。一瓶作るのにも二日程度かかるのに、四十作の出品の中に三瓶も立花を加えることは、随分きびしいことであった。なお作者として残念に思われてならないことは時間に制約されて十分の仕事が出来なかったということである。いけばなの個展というものは、見る人にわからない苦心がひそんでいるものである。⑲白ボケゼンマイさて、この写真は中作程度の立花で、「柳、松、梅、水仙、かきつばた、椿」などを材料にして作った立花である。早春の柳というものは感じのよいものだが、引きしまった枝振りが中々少ない。選択した形のよい柳を花形の上へ重ねる様に前方へさし出す。その柳条を通して花葉を見る姿は、風雅であり伝統の美しさが感じられる。立花(りっか)、リオクラダスムギセイヒツバキ・:-I ⑳ ⑳ 11

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