テキスト1976
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③これは釣り花である。花材はコチョウランの淡紅色の花4本、アロカシャの葉6枚。これを濃い紫色のガラス器に挿した。この花器は輸入ものの古い器具で、船の外灯用のラン。フである。鉄の輪がついている。明るい中に落粋きを感じられる作品。⑨トルコ青の陶器(仁松作)シの葉2枚を立て、その前後にクイン。フロテアの白花紅花を5本入れる。単純な配合だが、オーストラリアの花を強い緑色の花器に入れた異色の感覚。⑧とRは小品的な作品だが新しい感じの花といえる。、花材は熱帯仕のヤR いけばな展の会場では大作中作小作などの作品が調和よく陳列されていると、見やすいし、ことに大作の問に美しい小品花などを見かけると、ほっとしたやすらぎを感じるものである。諸流合同の花展などでは、出品者がそれぞれ力作を、と考える閲係から大作ばかりが居ならんで、黒々とした森の様な感じをうけることがよくある。り品者からすれば放し方のない結呆だと息うのだが、理想的には息ぬきの小品花などを加えるのも見る人達に悠りとした楽しさを与えることになるのではないか。と、こんな考え方で花席⑨ クィーン。フロテアバークシャーの大作の間に小品花をところどころ並べて、出品作の中でのバランスと調和を作った。ここに掲載した2作はそんな意味の軽やかな作品である。―つは「釣り花」一っは小品ながら変わったスタイルの瓶花である。二つの作品とも洋花の配合だが、それぞれ花器の感覚に調和する様な異国佑紹のいけばなといえるだろう。花器と花材とが性格的によく調和するもの、花器の色と形と、それによく似合う花を選んで、しかも会場の一部分に軽やかな調子を見せる。―つの破調ともいうべき会場作りのテクニックでもある。ヤシ5 コチョウランアロカシャ,. 一`

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