テキスト1976
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⑧すいせん2,-A、カトレアの赤紫の人輪の花2本。まっ白の長い壷に人れました。すいせんの葉は自然のままに軽くさばいて、そのひろがりと空間で形を作りました。花器の口もとにカトレアを前向きと横向きに挿して、上のすいせんの葉のひろがりと涸和する様に。水仙の線条の葉とカトレアの花のかたまりとの調和、色と形の調和。小品ながら目をひくような美しい花です。いけばなは大きくともただ騒がしいだけの平凡な花もあり、また小品といえども強くひきつけられるような印象の深い花もあるものです。花器と花の形と色、そして感覚の美しさ、それが何より大切であり、ことに小品花のもつ大きな魅力です。洋花であろうと日本花であろうと小品花のこころは、こんなところにあるのです。R すいせんカトレア10

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