テキスト1976
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⑧少し変った調子の生花を二瓶作った。この作品は、帯化柳(たいかやなぎ)うだん、紅褐色さんぎく、の三種である。写真で見るように紅葉のどうだんは太い幹に立ち枝がのびており、これだけでも面白い自然趣味の材料だが、さらに帯化柳を挿し添え、根じめに山菊をつけて三種生の生花にした。生花としては変わった配合である。花器は淡褐色の陶器で銅の中筒が入っ\ ているので、この程度の手のこんだ花形も、ど入れやすい。太いくばり木をかけ、どうだんをおさめて真の前部から胴、控までどうだんの枝菜で作り、その上部へ曲のある真の柳を入れる。副は左方へ長い柳の枝、中央どうだんに重ねて胴の柳(見えにくいが)を入れ、しっかりと足もとをととのえる。留に山菊の紅褐色は配色が美しい。かなり自由な形の草(そう)の花型である。⑧ 器花タイ国製容器ホトトギス一種⑲褐色の花が咲き揃ったホトトギスの束を二つ、手にとってみると花の頭が揃っているところが面白い。そのまま花器におさめることにきめ、花器を選択する。活け上げた花形が四角形になる様に考えて一本ずつ挿してゆく。花器はチーク材の木製の容器で食器のサラダボールである。容器の色とホトトギスの花の色とが同色系の色調であるのでよく調和していると思っ。20本以上もあるホトトギスの茎を、二つの剣山に挿しながら、常識的な横ばりの形や、前へ倒す花型にならない様に直立させ、横並びの並列花型に作って行く。前後に茎を重ね、花の頭を揃え、花葉の混雑しない様にさばきを美しく挿し揃えたが出来上ってみると形にも特徴があり色彩的にも変わった盛花となった。帯化柳どうだん山菊6

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