テキスト1976
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がはるかに遠くまでつづいており、それが夜になると川べりの街灯が正しく10メーター程度の間隔をおいて点々と青白い光をならべるのである。「。ハリの屋根の下」という映画だったが、そのはじめのシーンにあった。ハリの屋根の美しさを、しみじみと思いかえすのだった。私達は古い言葉の「おのぼりさん」の様に、短い毎日の10日間を廻ったのだが、凱旋門、エッフェル塔、ノートルダム寺院、ルーブル美術館、コンコルド広場、ブローニュの森、セーヌの遊闘船、モンマルトル、ベルサイユ宮、エルゼ宮、リゥおのぽりさんの私達クサンブール宮など表向きの観光地をひととおり見て廻った。伝統と史蹟の多い都市であるからわずかな期間では中々理解できない点が多いのだが、代表的な史蹟を訪問して感銘をうけたのは、王朝時代の幾世紀にわたる伝統の文化財が完全に保存されていることである。これは優れた数多くの建築や絵画彫刻をはじめ、あらゆる美術工芸の分野に深く感じられるのだが、これらは王朝時代の権力による保設と、高い宗教的信仰によって完全に伝承されたものと考えられる。私は。ハリの文化を考え、美しい史跡を見るに。ハリの二つの都市に相似性が多い。つけ、しみじみとふるさとの日本をかえりみるのであった。ことに文化都市であり観光都市であるという京都と比較してみるといよいよ感銘が深い。8月号の「レジャーアサヒ」にジョージ堀田氏が、京都御所とベルサイユ、清水寺とノートルダム、賀茂川とセーヌ川を対照してその歴史的相似性を書いておられたが、全く私も同感である。王朝の歴史と伝統について、史蹟と大寺院が多く現存すること、典雅な京都御所、江戸幕府の遺構二条城壮大な寺社建築と庭園など、京都とtこ。 アンリ4世の王妃によって建てらパリは宮殿と寺院の多い伝統の都市である。ナボレオン三世時代の大規模な都市計画によって今日のパリの基礎が作られたということであるのだが、東西12キロ南北9キロのこの都市の優雅なふんい気は、私達工トランジェの心をとらえて離さない、ベルサイユ宮殿の華麗さや、ノートルダム寺院のゴシック建築の荘厳に心を打たれたが、ちょうど日曜日の朝のミサの式を拝観することが出来て深い感激をうけたのであっ宮殿と寺院ベルサイユ宮殿リゥクサソブー)レ宮(花のある宮殿)11

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