テキスト1976
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水盤に用いる花留具のうちに「七宝」しっぼう、というのがある。生花に使う花留具だが、盛花にはほとんど剣山を使う。この七宝は、花を挿すとき材料を穴に挿し入れ木片又は草の軸の小片をつけて密める。生花の場合は水盤の中が透いて見え、剣山では荒々しく感じるので、七宝で留める方が技巧的に美しいし上品である。生花、瓶花、盛花のどの場合も、花器に薄板(うすいた)又は花合をしいて飾るのが普通である。瓶花、盛花の場合は花台よりも薄板のほうが調和がよく花を引き立てる。花台を使う場合は低い花台ほど花との調和がよく、なるべく装飾の少ない花台が好ましい。ぇ>ぼう兄留Rここにならべた三つの作品は、いずれも秋の自然趣味の作品である。秋の野趣といった感じの雅致のある材料で小さい花と細い茎の材料で、色彩的には美しい花だが、カラー写真でないと感じの出ないのが残ホウズキアワ念である。Rの篭は「菜つみ篭」といわれる褐色の手附篭で、この軽い感じの篭にホウヅキの枯実(朱色)アワの黄みどりの穂、山菊の白花をとり合わせて秋の野草を活ける、といった自サンギク然情紹の投入れ花である。篭の手の前の部分はかなり前方へ傾いているのだが、この写真ではその感じが出ていない。また篭の後方深くホウヅキの実を入れて奥行きをとってある。色彩的にも美しい作品である。ぶ各とあ台R 8

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