テキスト1976
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Rクイーン。フロテアという南方の植物。同じ種類にキング。フロテアというのがある。チョコレートに牛乳をぶっかけたらこんな色になるだろう、といった感じの変わった色の植物。これに黒色に近い赤の大輪菊、白花のテッセンの三秤゜花器は紺色に白を交えた中問色の陶器で、全体の色調が変わっている。花形は特に変わっていないが色調から面白い慇じをうける花である。挿し方は技巧的な瓶花だが、この三種の配列にも変化があって全体からうける感じは外国風の盛花であり、日本のいけばなの技巧が加わっている。Jレーブルの野外ショー照明訟11に点火され、バレーが開始された。7月29日だというのに馬鹿に塞い。きのうサンジェルマン通りの服屋で買ったラシャのハーフコートを若て出かける。今日はループル美術館の中庭で公演される「レニングラードバレー」を見に行くことになっている。午後9時より開演ということなので、時間を考えて少し前にループルの裏門前まで行くとすでに入場者が列をつくってならんでいる。趣味のよい服をきこなしたご姉人達が多い。私達は時間まちに広場に面したカフェテラスに腰をおろしてコーヒーをのむ。ループルの中庭には四方ほどの空間に鉄。ハイ。フで組み立てられた観認席が設備され、ちょうど野球場の観既席の様に後方席が高くなっている。座席指定であって私達が入ったときは、すでに五千人程度の入場者が開演を待っていた。舞台はループルの壮麗な建造物を背後にして特設された装四が作られており、背後の古雅な建築の色と共通した舞台構成が心憎いほどの調和をみせている。ルーブル美術館の塔の上にフランスの国旗がはためいており、これが舞台の後方喬くに見えて、ようやくたそがれの時間となって左右の「ロミオとジュリエット」の二幕を見たのだが午後9時に始って12時まで三時間にわたって展開された雄渾壮大な舞台は私達を魅了してやまないものがあった。思いがけなくもよい機会を得てループル美術館の中庭で、しかも世界最高の舞台芸術をみることが出来たのは実に幸せだった。。ハリでみたレニングラードの野外ショーと京都でみる平安神宮のたきぎ能、この二つにどこか似通ったものがあるのだが、その感動のあり方にはかなりへだたりがある様に思った。一00メーター7 明るい感じの秋の花2 午後9時というのに空はまだたそがれである@ R クマジロバランテッセンクインプロテアテッセンキクレニングラードバレーを観る

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