テキスト1976
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R褐色の手附花瓶、これは洋風の花瓶である。花材はナナカマドに紅色のケイトウスリームの白花を加えて明るい瓶花を作った。渋い花と派手な洋花の配(鶏頭)。それにアン合だが意外によく調和している。これは秋の風雅というものからは離れた新鮮な感じをみせている。アンスリームという洋花も白花が落薔いてみえるものである。こんな取合わせも―つの工夫といえる。⑧この瓶花は古雅な趣味の花である。花器は阿波の大谷焼、褐色の渋い陶器である。むべを、少し太い木によりかからせて活オペラ座に近いあるビルの一角で花を売るおばさん。東京なれば銀座四丁目か有楽町といった街角。壮麗な。ハリの街頭にもこんな素朴な風景がある。花の頭を揃えてバケツにつけこんだところ、日本の街頭の花屋さんと同じ。ならべた花の種類も日本の花屋とほとんど変りない。菊に百合にハイトランジャ、モンステラなど。ける。複雑な変化のある線を形よくまとめて前方後方へさし出す。落着きのある秋の瓶花、といえる。の実つきの蔓c栗とあじさいの瓶花。早い秋の栗の実と、夏の残りばなの「あじさい」の取合わせ。黄みどりの実と葉淡青色のアジサイの花、黄土色の花瓶に活けたこの瓶花は、淡泊な色彩であり、また、上方左へ出るアジサイ右方へ出る栗の形が変わっている。パリの街角で4R

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