テキスト1975
76/147

J ,,集数年以前から花屋の店に入ると、冷蔵設備のウインドウが設置されるようになった。花を保存するためでもあるし、店の装飾設備として体裁上必要になってきたものだろうが、さて、購買者の方の私達にとっては、この冷蔵庫入りの花が日持ちがよいのか意外に悪いのか、考えてみるのも無駄でないと思うので、テキストの話題としてとりあげることにした。現在、花屋が設備している冷蔵保存庫は二種類ある。ガラスウインドウの形式のものは(キー。ハー)といい、いいかえれば花の進行をとめるための保存庫であり、ガラス窓を通じて花を見ることが出米るので、店の陳列法として理想的な形式であろう。。ハー、もう―つの方法は体裁をかまわない完全保存のためのジュラルミン倉庫、客の目につかない様な場所に設備する大型冷蔵倉庫。これを(ストッ。ハー)といわれている。花の進行を抑止するのがストッ花を保存するのがキイパーということになっている。キイ。ハーは、普通の大きさたたみ一帖分ほどの大きさ、ストッパーは五坪程度の大型が普通となっている。キイパーは店の装飾用として美しい洋花などを飾ってお客に少しでもよく見せようとする商買政策、そして商品を長もちさせようとする気持もあって、買う私達も高級品のように思えて多少高価でも満足させられる利得がある。ストッパーの方は、なにしろそれ自体が倉庫であるから、主として大きいかさの材料、たとえばいけばな展の材料保存庫として、大量商品の保存庫、完全に作り上げた葬式用の花環まで水につからないままで数日間保存することが出来る。洋蘭類は開花のまま二、三カ月も完全保存することが出来るだろうし、木もの枝ものは夏季でも一カ月は変らないという便利さである。これが製産者から小売店までストッパーを設備することになれば、花を買う側の私達は一体、便利なのか迷惑なのかこれをよく考える必要がある。キイパーから出した花はすでに長期間、眠らされておる花であって、買う時点において外見が変らないのだから、活けたときにはすでに花の活力を失った材料であるかもしれない。老衰期の花に厚化粧を施こして外見を飾るといった結果になるとも思われる。花屋乙方もストッパーに数万円、キーパーに約一万円乃至一万五千円の経費を要する、というのだが、花市場でさえもストッパー保存の花が見わけられない、というに至ってはその影親力は大変なものに違いない。ただ桜の花季のすぎた四月下旬でも桜が見られるようになり、咲かない花菖蒲だけれど季節はずれに保存材料を使えるという便利さはあっても、一体、私逹は喜んでよいのか悪いのか判断に苦しむ、ということになる。ただ花を買う人達が、そんなものかと理解することが肝要、という話である。保存と抑止花の冷蔵庫の話... `ぷ~;,P,, —ヽ,キーパーストッパー(低温陳列庫)(保存冷蔵庫),,.-'!", -?、な、.u... -... ●、'.. ,; 今tダ'、書'・.~ 令・事》` 12 ~.....: ら、.... ^

元のページ  ../index.html#76

このブックを見る