テキスト1975
69/147

3-――ぐとc五、六月の頃より夏期に咲く野あざみは水揚の悪い花である。このごろ花屋で見かけるのは洋種のあざみで、これは水揚がよい。秋になると「タムラソウ」というのがある。普通のあざみとよく似ており、一般に十月あざみといわれているが、これはあざみとは別種の植物である。写真は紅色の洋種のあざみを白竹の「すかし籠」に三本、手軽く挿した。この籠は編み目を通して花を見るように、低い中筒を使って篭の内部に花を活けるという方法である。これがすかし籠の特徴である。⑪魚具の形をうつした「四つ手籠」目がすがすがしく感じられる。低い竹筒を容器にして、「テッセン」の紫花を2本活けた。手をかくさないように、下の編み目をかくさないように注意して活けたが、夏の花器らしい趣味の籠にテッセンの紫花がよく調和している。緑の葉が新鮮なうるおいをみせている。Rc⑪の三つの籠は意匠的な籠であり、み」といった感じのものである。「粋好み」という様な感覚は籠独特の調子のもので、趣味として面白い。、白竹の編み「いき好c ⑪ 5

元のページ  ../index.html#69

このブックを見る