テキスト1975
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20点、素子作品約20点、その他この木下昌子出中文子谷口桂中央に設けられた特設展示席を中心にして、その周囲に飾られた大小の作品は、色彩豊かな瓶花盛花50点、選択された花器、豊富な花材の稲類、色彩の配列美、まことに絢爛とした美しさであった。隆吉作品約いけばな展に特別参加のスタッフ、伊藤かほる上野喜代子川合腸子茶谷房枝西岡美智代辻際裕子長谷川紘子以上10名のみなさんの作品がならべられて、これは門下代表の協賛出品で、いずれも新鮮な感じの作品であった。また、この花展を祝う心を小品花「白椿一種」の瓶花に托して、専渓家元の出品にはひそかな喜びを感じさせるものがあった。当然のことながら、いけばな展にはその総合的な中にはっきりとした主張が必要である。作家の個人的な主張、あるいは流は流としての個性ともいえるものが、その展覧会を通じて受けとれるものでなくてはならない。その点、この花展には豊かな個性が示されていたと思う。もちろん見る人によって稲々な批判のあるのは当然だが、全出品を通じて「桑原専慶流」らしい色彩と考え方が示されていたことは、実によかったと思う。隆吉・索子の花展は、47年11月に大阪朝日ビルで開催したのを始めとして、大きい花展は2回目である。大阪展のときは今回よりも会場が広く出品も多かったが予想以上の成功だった。今回はその第2回だったが、二回の花展を通じて考えられることは、作風が新鮮であり、明るい形式の中に強い個性が示されていることである。いよいよの努力を期待する次第である。11 絢爛たる色彩美新鮮な作風隆吉・素子展

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