テキスト1975
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白樺6上高地の夜「しらかば」白柿は、本州中部地方の高山に自生する喬木だが、東北地方北海逆の山地にも見られる樹木である。文学の「白梓派」でひろく知られるようになったと思うのだが、白いしらかばの樹皮と雪の中に立つ白樺林を連想して、なんとなく詩的な感じをうける。しらかんば、かばの木などと呼ばれているのだが、中部山系の高山にはこの白樺の木が全山をおおって、白く褐色の林をつくっている。一昨年、乗鞍に登ってこのしらかばの樹林が呆てるともなくつづいているのを見たが、それを彩るように五葉松の暗緑色の群落が山肌いっばいに自生して、くさむらの様に低くひろがっているのをみて、実に雄大な感じをうけたものだった。上高地の帝国ホテルでは八月というのに、冷えびえとした夜を暖めるために、広間の中央に設附されてある大きい暖炉に白樺の木の太いものを投げこんで燃料にしていたが、私達宿泊者はそれをとりかこんで暖かい紅茶をのんで話しあった夜。実に印象的だったし、私逹にとって珍しい白樺の木をたきものにする、ぜいたくをしみじみと感じたものだった。春深き十勝国原白樺の疎林のなかにあめ牛あそぷこの歌のようにまばらな白樺の枝には枯れ残った褐色の葉が、わずかに残って、それは寂漠とした風景でありながら、明るさをともなう情紹であった。須賀恵形白樺の木のこんなに曲がった老木は珍しい。宮士山麓で採集したというのだが,変わった形の木ぶりである。これに,アカシアの黄色,クロトンの赤褐色と暗緑色,フリージャのちいさい白花,この4種でかなり大きい瓶花を作った。クロトンの葉のつかい方,フリージャの小さい白花が引立っている。裔さ1メーターほどの大きい作品である。白い陶器にアカシャの黄色とクロトンの色が美しい。ゞーニ大きい作品4

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