テキスト1975
44/147

大きい作品花材・梅バイモ珍しい瓶花である。土佐絵のような強さがあって、秤机絵のような面白さがあって、自然の中に奇趣といった変化のある瓶花である。梅の古木と小菊、ばいもを取合せているのだが、梅は朽ち木のようなこけつきのぼくに一枝だけ活きた枝が残っていて、季節がくれば咲くつほみをつけている。小菊はえんじ色の渋い花の色、緑の葉。それにばいもの汲みどりのわびしい花3本を添えて、これは意匠的な瓶花である。もちろん会場のいけばなであるが、梅のほくの上に乗っかった小菊とばいもをどうしてつけてあるのかというところに工夫がある。左図の絵にみるように、大きく円い花器の上に青竹を乗せ、花器にしっかり招めて(切り込みを入れて水を入れる)それに二秤の花が入れてある。竹の見えないように太い梅のぼくを前に附きこれも花器の中の璽品のある金具にしっかりとめ、竹の見えないようにして、上方の花二稲を入れた。梅は横倒しに花器の上に乗せてあるだけである。普通の瓶花ではなく装飾的な会垢の花である。コギク3 4

元のページ  ../index.html#44

このブックを見る