テキスト1975
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美しが原に咲く松虫草の花。淡い紫色の直径4センチ程度の花がアネモネに似た細い茎に一輪ずつ咲いて、それが群って集団を作っる。明るい色と形をもつ花で野生の花にない新鮮な色彩をもっている。山百合の日本的な感じとは別の、たとえばイタリヤの染織にある様なそんな明るい感じをうける花である。秋の野の松虫の鳴くころに咲くという、それから名づけられた松虫草はロマンチックな花である。ヤナギランは50センチ程度の淡い紫赤色の草花で、夏のミゾハギに似た草花でこれも明るい色彩の花、ぎっしり押s しならぶように群生して咲いている。広々とした美しが原に咲Vこの二種の花は、場所に調和し上新鮮なてい美しさをもつ花である。の紅、まれにノコギリソウの白花、キキョウ科のツリガネニンジンの紫の花、ニみえて、澄みきった裔い空と、刈り込んだ様に低く緑の草原のその空問を、美しく彩っていた。を王が頭のテレビ塔まで歩いたが、この池田氏が手帳を出して花の写生をしながら書きこむ。このあたりまフジバカマミズギボウシの残花、タムラソウッコウキスゲの黄花などが自動車の池田さんと草の間の小道でくると私を「旦那」から「先生」と呼んでくれるようになり、上高知では富士あざみを「オヤマボクチ」だと頑張っていた運転手君も、自説を訂正するように軟化してきたのも面白い。中部地方から北海道にかけて咲く「フジバカマ」は花も大きく色もさえて美しい。関西の山の藤袴はわびしい花だが、このあたりのはさすが秋の七草に選ばれる美しい花である。戦後、私にも空白の期間がしばらくつづいた。その間を利用してかねてからの念願であった「山歩き」を三年ほどつづけた。山を歩いて花を見る、というのが目的で「植物研究」というほど大層なものではない。それでも京都府、滋賀県、奈良県にわたる目ぽしい山をほとんど歩いたのだが、ただひとり瓢然と深い山に入ったことも再々であった。初夏から晩秋の期間が多かったが、一月二月の冬期の木の実や、岩かがみ、やぶこうじ、春聞の早春の頃にも雪のある渓谷を歩いたことも度々ある。大体、一週に一回程度は山歩きしたことになり、そのたびの草花木花、実もの枯草など主としていけばなに必要な植物の生育の状態やその場所、季節などをしらべて記録してゆく、というのが私の目的だった。伊吹山はことに野生の花の多いところなので、ひと夏に三回程度は登伊吹山頂から古戦場姉川を見るったと思う。保存してある私の記録帳からその部分を抜き書きしてみる。(昭和5時京都発7時に近江長岡普、それより徒歩、3キロを歩いて春照村の上野神社境内の登山口より登る。12時五合目につく。この辺りよりひろやかな草原。山の花が多い。ヤマテマリ、カラマッソウ、カン21年6月21日)21日(金)に伊吹山に登る。午前伊吹山の秋花一' 、--'ヽゃ忍-:f,:;-14'.、,,• :• ; -.• ·'~; ✓'" !;. _・.... _-.!;. 心ぷ稔竺戸~虐iぺ・t、:、, • .. , •. . -・、;.... *'~ふ,、芯冗~..: ふ~~ご?ダ・・・,.:::~;:-. ・ン知'・-・ ・たた_-:..:-:,~ 奇-... ~ ? . ゞ.. ,-: 、〜み滋戸・・ーク:~-r-~·:、ご~'7•• • ~:'(~:~ 庇た'j••,•. ;..:・・,、s・・• ,, , _-,, ふ.~.:、~.. .... .,.. •.. _. .,. 心1(11"'-• ., ぷ・・,_,.~,,--. こ.;.."" . . . ., ●● ・・ら涵,/え~?-'-~”‘~ ・.•、わ,.--・,, • ヽ•;.. l・.、、A. .. , : : 貪・ク,;.・. '・ . ,. 11 ・_;.,:, t::,.·,i,,•.-;,,..t, .. ~:~·,, . ・. . .. • -~~. ~f,,. .... -:. ・-.、`.-. ジ・',, ダ.... , ., ... .,. て環疇戸t具`

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