テキスト1975
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五回ほどつづけて特殊な花器を選んで、それに調和する盛花瓶花を活けた。花器の性格から自然、小型の花を活けたことになる。今月号は普通の作品とは少し大きい作品、たっぷりとした作品を作って掲載することにした。写真も大きくして細部がわかりやすい様に考えてある。もちろん花器も大型のものを使って活けたし、材料の配合にも変化のある様に考えた。秋のいけばなとしての風雅なもの、季節感のあるものを材料にして作ったが、その中に今日的な新しさをもつ作品でありたい、と考えて作った。この写真をとったのは10月2日であり、このテキストが皆さんの手許につくのは11月の初旬であるから、少し材料的にズレがあるのだが、配合の中にある考え方をよく推察して、晩秋の中の材料をよく選択してそれらしい季節感のある花を活けられる様に希望する。「写真解説」Rすすき、ほととぎす、デフェンバギア黒く褐色の大篭、これは農家に使う道具入れの篭である。ススキとホトトギスはこの花器にびったりとした調和だが、デフェンバギアの緑葉に白い模様のある洋種材料を添えて、明るさを加えた、そんな感じの瓶花である。Rハスの葉、山いばらの実、単弁菊花器は淡い褐色の壷、かなり大きい。残りのハスの葉三枚、いばらの実(野薔薇)四、五本、南画に見る様な古雅な感じだが、ハスとバラの実というところが面白いと思う。白の中菊四本、この配合は古いススキホトトギスデフェンバギア/ ー2 R ノ

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