テキスト1975
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クロマツ、アカマツ、ハイマツ、トドマツ、コウヤマキ、ヒマラヤシーダーの類は球果(まつかさ状の実)をつける樹木だが、いけばな材料にこれらの枯実を使うことが多い。樹枝についたまま活けることもあり、また球果だけを装飾として使うこともある。エゾマツ、モミ、トウヒ径5cm_7cm)大きいものは一個の実が長さ15センチ、径10センチに及ぷものもあり、これを数多く使って花展の作品を作り上げることもある。寒帯地方に生植するハイマツの実など殊に大きく見事である。(長さ9cm115cm.この作品は9月の花曜会展に出品の桑原素子の作品だが、シダの茎にさしたもの、ユーカリ、紫紅色の洋蘭デンドロビューム)を組み合せた装飾花で、シダの茎を中央でくくりつけて花器の下部までひろげたところが面白い着想といえる。花器は黒色漆の長方形花器で、かなり大きい花器である。(松かさを行15センチ程度のしっかりとした花器であり、漆器でこの花器は輪島の漆器だが、表面に金色でさぎの絵が書いてある。花を入れるには少し賑やかすぎるので、裏面を前にして使った。黒い面にシダの細い茎と洋関の紫紅色の花が重なり、これが図案と同じ効果を出している。黒色の背景であるために花が引き立つことになる。この花器は高さ20センチ、横30センチ、奥も重量感のある花器なので、花もたっぷりと大きく入れることが出来る。.. 10

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