テキスト1975
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ある。欅の木地に年輪を見せて淡いうるしで仕上げた花器だが、内部は黒色である。小さい床の間にはまぐり板(黒)を布いてそれに飾ると調和がよい。椿の小品花、ささゆり2本、すすき、桔梗など、またすいせよいと思う。まん中の金色の環が手ぎれいな意匠である。写真の花はグロリオーサ・カルソーニという朱と黄色を交えた軽やかな草花。また「印度百合」ともいわれ、印度原産の花。こんな軽やかな花がこの花器によく似合っ。この百合は葉先がツル状になっており、葉先で他の草木にからみつき生育する植物。熱帯産の籐(とう)によく似ており、葉先で樹木によりかかる面白い植物。④高さ30センチ程度の小品花器でん2本、紅葉の寒菊小量など調和がRまんさく、白花りんどうを朱塗りの水盤様の長方形花器に活ける。横七0センチ程度のゆったりとした花器だが浅く朱色の美しい花器である。中筒を前後に二個問いて剣山で留めた。横長の花器なので中央より左よりに株をすえて、まんさくの緑の葉を下部に、上方は少し紅葉して配色がよい。白花りんどうを5本、まんさくの枝葉の間からさし出して調子をとった。風雅で美しい盛花である。朱色の漆器の上にまんさくの緑の葉を重ねて図案のような色と形の配合を考えた。まんさくは山地に野生する喬木だが、伊賀上野地方の山に群生しているのを見たが、またこの八月、長野県美しが原の山地で美しく紅葉しているのを見かけた。花・グロリオーサ.カルソーニ器・手ぎね形生地漆仕上R 4

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